ゆとり、それともしつけ?:日本の「問題児」の更生について

日本においては主流教育が学者達に十分な注目を浴びる一方、「問題児」を更生する私立教育機関は制度的にまだ分析されていない。この論文は二つの対照的な更生機関(K2インターナショナルと戸塚ヨットスクール)を詳細に描写するものである。両機関の更生に対する考え方、「問題児」に対する観点、及び理想的な更生方法、またメディアの報道によって知られている事件とそれに対して取られた対応にも焦点をあてる。この機関は二つの対立的なパラダイムを象徴している:しつけをしなければならないパラダイム(戸塚ヨットスクール)とゆとりを与えなければならないパラダイム(K2)。故に、この機関は青少年とユース問題のモラル言説を反映している。またその機関の分析は、社会や教育の傾向に影響されながらも、機関のカリスマリーダー達が地方の立役者として言説を方向づけるという大きな役割をどのように果たしているかを示している。この研究は日本における更生目的の宿泊機関についての複雑な環境を初めて詳細に示したものであり、インフォーマルな教育の定義に関する問題を提起し、問題児を扱う様々なアプローチをユース専門家に提供している。 さらに「医療化」(つまり「問題児は病気によってこうなっている」という立場)に限らない更生のためのアプローチとその具体例は、日本学の分野以外の学者にとっても関心をもたらすものである。

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