「体罰」とは、権威的立場にある者が下位の立場にある者をしつけるか、罰するために、叩く・殴る・蹴るなどの行為を働くこととして大まかに定義されるが、これは日本だけに限った現象ではない 。近年の撲滅運動も功を奏さず、体罰はいまだにしつけの習慣として世界中で広く用いられており、学校での教師による体罰よりも家庭での親による体罰のほうが一般的であるとされている。身体的な罰という行為は何世紀にもわたり日本で用いられてきたが、明治時代になって初めて「体罰」と名付けられた。本章では「体罰」の定義とその教育的価値が今日までどのように議論されてきたのか、そしてそれがいかにして「解決策」という位置付けから「社会的問題」へ転換し、さらには「問題」としての重要性を失ったのかについて検討したい。
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